１９５４年３月１２日に山口県防府市で誕生した当社は、おかげさまで７０周年を迎えました。
６０周年を迎えた時も、私は常々、この会社を皆様と共に「１００年企業」に…、という目標を持ってまいりました。
７０周年はその道半ばではありますが、変化のめまぐるしい小売業界にありまして、このような節目を迎えることが出来ましたのは、大変嬉しく思うところでございます。
この７０年の間で、当社の大きなターニングポイントの１つ目は、１９８５年に多角化経営に邁進し、大阪証券取引所第二部に上場させたことです。２つ目は、１９９８年に経営資源を食品スーパーマーケットに集中させ「ＡＲＵＫ」店舗を展開し始めたことです。この時から丸久は地域に根差した生活関連品を販売するローカルスーパーマーケット企業に生まれ変わり、第二の創業期だと言われています。
３つ目は、２０１５年に当社はリテールパートナーズを誕生させ、大分のマルミヤストア、福岡のマルキョウと共にリテールパートナーズの中核企業として経営基盤を強化してまいりました。
その結果、リテールパートナーズは現在２７４店舗、２５００億円の年商規模の企業体となりました。
２０２０年には東京証券取引所市場 第一部に指定、２０２２年には東証プライム市場に指定されたことで、多くの株主様にご支援いただける企業となりました。
７０年の中では、当社にとって良い時も、その逆に厳しい時代も経験してきた訳ですが、いつの時代においても地域のお客様にご愛顧いただき、ご支援いただいたことで今日があると感じています。
改めまして、お客様、ご支援いただきましたお取引先様、地域の皆々様と従業員の皆様に心から御礼申し上げます。
また、今日まで当社の歴史を紡いでこられた９人の創業者の方々をはじめ、数々の諸先輩方、従業員の皆様方に重ねて敬意を表したいと思います。
７０周年を迎えるにあたり、社内にプロジェクトチームを立ち上げました。そして、この周年プロジェクトは「ありがとうを形に」というコンセプトで進めていくことに決まりました。
お客様に、地域の皆様に、お取引先様に、従業員の皆様に、「ありがとう」が伝わる１年間にしたいと思います。
今後、様々なキャンペーン、イベント等の実施を予定しております。これらの企画を通じて、皆様に当社からの「ありがとう」がしっかりと伝わることを期待しております。
最後になりましたが、今後も当社は「１００年企業」を目指して、身の丈に合った経営に日々邁進してまいります。引き続き、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2024年3月
株式会社リテールパートナーズ
株式会社 丸久
代表取締役社長
㈱防府専門大店を設立。防府市に宮市店を開設し、食料品・日用雑貨・衣料品等の販売を開始。1954年5月には、商号を㈱丸久に変更。
暮らしの繁栄に合わせてスーパーマーケット事業を拡大し、生活必需品全需要圧縮型小型店舗を開設。1988年には台湾台中市に台湾丸久(股)を設立し、翌年に台湾丸久1号店を開店。また、クリーニング事業・家庭家電販売業・書籍販売事業・外食産業・旅行事業・不動産事業などの多角化経営にて経営規模の拡大を行い、山口県の生活産業拡大を目指す。
1984年には広島証券取引所、1985年には大阪証券取引所市場第二部に株式上場を果たす。
生鮮品の配送センターである㈱丸久生鮮センター、デリカ商品などの加工流通センターである㈱四季彩を設立し、物流システムの強化を行う。
現在は、㈱四季彩を吸収合併し、2020年に「丸久プロセスセンター」を新設。デリカ商品及び精肉・鮮魚の加工場を設け、最新鋭の設備にて安心・安全な商品提供を行う。
また、1991年にはPOSレジシステムを導入しDXの第一歩を歩み始める。
経営資源をスーパーマーケットに集中することを宣言し、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)へ加入。
本格的なSMづくりを目指して徳山市(現、周南市)にアルク1号店となる「アルク秋月店」を開設。
その後は「アルク」を続々とオープンし、丸久のメイン屋号となる。2000年には東京証券取引所市場第二部へ上場。
楽天市場にネットスーパー「09ショップ」、カタログ販売の宅配スーパー「マルキュウらくらく便」を新規事業化。
現在は、移動販売スーパー「とくし丸」を導入し、更なる買い物支援に力を入れている。
2009年の山口県との地域包括連携協定の締結を皮切りに、山口県内全市町・島根県津和野町と同提携を締結。地産地消の推進・災害対策・買い物支援・子育て支援など地域活性化に向けての取り組みを実施し、暮らしやすいまちづくりを協働している。現在は、県内大学や病院とも包括連携協定を締結し、共同研究や人材育成、災害支援を行っている。
2015年7月に経営統合し、持株会社「㈱リテールパートナーズ」が誕生。
2018年12月には㈱アークス(本社：北海道)・㈱バローHD(本社：岐阜)と新日本スーパーマーケット同盟を締結。日本を縦断した企業連携で更なる企業価値向上を目指す。2020年4月には念願の東証一部(現、プライム市場)に上場。
1985年からはちびっ子健康マラソン、1986年からはマルキュウカップ・山口県小学生バレーボール選手権大会など地域のスポーツ活動を応援してきた。
また、地元のスポーツ選手を応援する目的で、明治大学・卓球部の戸上隼輔選手と2019年8月に、野上選手が野田学園在学中にスポンサー契約を締結。2023年10月には山口パッツファイブとスポンサー契約を締結し、地域活性化に貢献。
70周年に向けて旗艦店舗の改修・改装を実施。
そして、待ちに待った89店舗目(アルク45店舗目)、「アルク長門店」を2024年3月長門市にオープン！
マルキュウグループはこれからも
皆様の豊かな暮らしに貢献し続けます。
株式会社丸久及びリテールパートナーズグループは、
「地域のお客様の日々の暮らしを“より”豊かにする。なくてはならない存在として地域を支える。」
という社会的使命のため、「地球環境」「地域社会」「人権と多様な人材」を重点活動として、
サステナビリティを推進しています。
同じ志をもった地域に愛されるローカルスーパーマーケット同士と手をたずさえ、これからの小売業の変革期を乗り越えるための強い仲間作りを行い、市場シェアを高めると共に各社の企業価値の向上、そしてグループの成長に努めて参ります。
2018年12月に当社の持株会社である株式会社リテールパートナーズは、同様に地域に根ざしたローカルスーパーマーケットを運営する、北海道・東北の株式会社アークス、東海・北陸の株式会社バローホールディングスと資本業務提携を締結し、３社により「新日本スーパーマーケット同盟」が結成されました。2019年１月には提携推進委員会をスタートさせ、傘下に４つの分科会（商品分科会・運営分科会・間接部門分科会・次世代領域開発分科会）を設置し、それぞれの取組みを進めてまいりました。
今後もそれぞれの経営資源や経営ノウハウを有効活用し、地域に密着した独立系食品流通企業の結集軸として新日本スーパーマーケット同盟の提携メリットを創出し、地域のお客様の期待に一層お応えしていくことを目指してまいります。
惣菜、弁当の製造のレベルアップ、また各店舗で行う生鮮食品（精肉、鮮魚）の加工を集中処理し、各店舗における作業負担を軽減するとともに、最新の設備を導入することで原料の入荷から商品の加工および出荷、センターから各店舗への輸送中においても温度・衛生管理を一元的に行い、より安全で安心な商品を消費者にお届けいたします。
RPGプラントは、宇部テクノパーク内に最新型の「完全人工光型植物工場」を建設し、完全制御された環境下で「安心・安全で新鮮なレタス等の野菜」を栽培。これを素材として、「パック野菜商品」（株丸ごと、あるいはカット野菜ミックス）を生産し、RPGのプライベートブランド商品として、リテールパートナーズの各店舗（273店舗）を通じて皆様にお届けします。更に、安定稼働後は順次、シソ、エゴマ、バジルなどの野菜ドレッシングの商品化も行います。
完全に閉鎖された空間の中で、人工光により野菜を作るシステムで、露地栽培と比較して気候や天候に関係なく一年中安定して野菜が作れ、その野菜にぴったり合った環境で育てられるというメリットがあります。また雑草や害虫の被害もないため農薬を使用せずに栽培でき安心で安全な野菜が栽培できます。一般生菌が少ないことで、野菜の劣化を抑えます。冷蔵保存することで、収穫から３週間程度は品質を保持でき、お召し上がりの際は洗わずにそのまま食べられるため便利です。 今後は栽培品種を増やすとともに、１日２６００株の栽培を目指します。
サステナビリティ人材への取組み
店舗での実習や総合支援学校の「きらめき検定（技能検定）」を通じて、人間関係構築のためのコミュニケーションや就労に求められるスキル習得を図り、自信を持って社会参加できるよう支援をしています。店舗実習後に雇用にいたる方も毎年複数名おりますので、常用雇用率3％を目標に、障がいを持つ方が安心して働ける職場づくりを目指します。
サステナビリティ人材への取組み
2014年に「女性活躍推進委員会」を設立し、女性管理職の登用・育児休業後の復職支援などの環境整備を行ってきました。現在は15名の管理職の方がロールモデルとして活躍をしています。また、2018年には、厚生労働大臣が認定する女性活躍に関する状況が優良な企業「えるぼし認定企業」最上位星3つに認定されています。2023年度より女性が働きやすい職場改善や新しい働き方の推進、女性リーダー養成等を目的とする女性活躍推進に取り組むためのセミナーを開催し今後も、女性が働きやすい環境づくり、女性目線での取り組みを実施をしていきます。
サステナビリティ人材への取組み
労働集約型産業だからこそ、多様な人材を受け入れ、誰もが成長できる企業を目指しています。社員研修では、従業員間のコミュニケーションや部下の育成スキルなどの人間力向上のためのフォローアップ研修と役職に応じたマネジメントスキル向上を目的としたスキルアップ研修を実施しています。
４月入社後、約１ヵ月半の新入社員研修にて同期の仲間と協働し、チームで働く意識を高め主体的に行動できる社会人への成長を支援していきます。店舗配属後はまず商品の品出しや簡単な調理を習得し、徐々に商品知識や売り場レイアウトの工夫などスーパーの基礎を学んでいきます。
サブチーフは部門運営を支え、徐々に販売者としての視点を身に付けていきます。「売る楽しさ」を実感するために、日々の仕入れ業務・売場づくりの意味を理解し、顧客の価値を創造するための問題解決力と数値管理能力を養います。
チーフは部門の責任者として予算達成の手段や作業改善などに役立つ売場の数値を中心に、従業員エンゲージメントを高めるための指示・コミュニケーション、お客様満足度を高めるための接客応対などを学んでいきます。
店長・副店長は店舗の責任者として、会社の経営理念や経営方針の実現を目指した店舗運営を行います。各部門の担当者に店舗方針を示し、店長が理想とする店舗づくりを行います。
その他、店舗スペシャリストのバイヤー、
接客トレーナーなどの社外研修や
海外視察研修などを実施しています。
サステナビリティ環境への取組み
各店舗を食品トレー、牛乳パック、ペットボトルなど様々なリサイクル資源の回収拠点として店頭回収に努めています。
2022年度、食品トレーを336トン、古紙・ダンボールを1564トン、ペットボトル90トン、ペットボトルキャップ56トン、牛乳パック61トン、アルミ缶及びスチール缶75トンを回収しています。
ペットボトル減容回収機の導入も増えており、現在19店舗（2023年2月末）に導入しており、2024年3月に2店舗導入予定です。この回収圧縮機は、ペットボトルをリサイクル利用することを目的としており、容量を圧縮することによって運搬の積載効率が向上し、その結果、回収のための車両台数が減りＣＯ₂排出量を削減することができます。
サステナビリティ環境への取組み
2021年度、山口県の呼びかけにより始まった、海洋プラスチックごみ問題を、県民、行政、我々民間企業が一体となって考え、行動するSDGsの取組です。
多くの県民ボランティアにご協力いただく「海岸清掃」、海岸清掃で回収した海洋プラスチックを海色の買い物かごに生まれ変わらせる「アップサイクル」、できあがった買い物かごをスーパーマーケットに導入し、日常における気づきを与え、エコなライフスタイルを提案する「エシカル消費」の３つのアクションからなります。
2022年度からは協賛企業が10社となり、官民一体となって、「ONE FOR OCEAN」を合言葉に、「誰もが参加できるSDGsアクション」を実践させていただいております。
青色の海洋プラスチックは、細かく砕かれ、ペレットというプラスチック製品の原料にリサイクルされ、アップサイクル買い物かごに生まれ変わります。そして、海色の買い物かごは、現在、県内１４カ所（丸久グループ店舗12カ所、道の駅2カ所）に導入されています。
サステナビリティ環境への取組み
ＣＯ₂排出量の算定と削減、また再生可能エネルギーの創出に取り組んでいます。
店舗屋上に太陽光発電設備を設置し、自家発電自家消費を行っています。現在7店舗（2023年2月末）で稼働しており、今後も順次設置予定です。
中国電力株式会社と山口県企業局の協定に基づき創設された新たな電力供給ブランド「やまぐち維新でんき～やまぐち水力１００プラン～」を2022年7月より導入し、山口県企業局の水力発電所で発電されたＣＯ₂フリー電気を一部店舗で活用しています。
冷凍機器をより環境負荷の少ない設備に、照明もLED照明に入替えています。現在冷媒冷設機器の入替は31店舗（2023年2月末）で行っており、今後も順次入替え予定です。
2022年8月31日付で株式会社日本格付研究所よりグリーンファイナンス・フレームワークの格付を取得いたしました。それに伴い株式会社山口銀行と山口県内初となります「グリーンローン」の借入契約を締結しました。「グリーンローン」は、企業の地球温暖化など環境改善に向けた取り組みについてその効果を外部評価機関からの評価を取得し借入を行うものです。
サステナビリティ地域への取組み
「24時間テレビ」や赤い羽根共同募金との取り組みである「LOVEやまぐちプロジェクト」など様々なチャリティー活動を実施。街の福利サービスの向上や環境保全への寄付を行っています。
その他、1960年から続いている「児童画コンクール」の実施、離島の食産業の復興と生産者の生活基盤を整備するための「五島フェア」の実施、台湾のパイナップルや冷凍フルーツ等の販売など各地域の支援もしております。
サステナビリティ地域への取組み
「ちびっ子健康マラソン」や「ママさんバレーボール大会」など、丸久主催のスポーツ大会を実施。地域の人々の健康づくりをサポートしています。
また、野田学園出身の卓球・戸上隼輔選手やプロバスケットボールチームの山口パッツファイブとのスポンサー契約、山口県内のスポーツ振興を応援する「チームやまぐち応援募金」の寄付などを実施。地元から全国・世界に向けて活躍する若者たちを支援しています。
サステナビリティ地域への取組み
「だれ誰一人取り残さない社会の実現」を目指して、地域のフードバンクや子ども食堂と連携し、フードバンク・フードドライブ（フードポスト）活動、地域の子ども食堂の支援に取り組んでいます。店舗で通常廃棄される商品をフードバンク山口に提供しており、2018年からは青果部門の食材もこども食堂のために提供し始めました。
2023年度は、フードバンク活動を20店舗、フードバンクポストを33店舗、63団体の子ども食堂を支援しており、その輪を拡大しています。
その他、子育て世帯への支援として、各市町や団体に商品の寄贈等もしています。
サステナビリティ地域への取組み
山口県の農水産物需要拡大への取り組みとして小売店（スーパーマーケット等）で山口県産品コーナーなど県産品の販売拡大に取り組む「販売協力店」の第1号として2000年にアトラス萩店が登録されました。2009年に県内で営業する各社の「販売協力店」と連携し山口県販売協力店連携協議会が設立され、重点商品拡販キャンペーンや売場コンテストなどを通じて積極的に売場のレベルアップや地産地消を推進しています。2024年2月末現在88店舗で取り組んでいます。
